次の日の放課後、ミステリー同好会の部室に、松田響輝と由美子それと、川崎麗奈と彼女の彼氏と、四人の先輩たちと集まっていた。由美子は昨日の服部弁護士の訪問があったこと、その時の内容も話をした。
すると川崎麗奈と山口俊也も服部弁護士が自宅への訪問があったようだった。松田響輝の方は父親の方に連絡はあったが、自宅への訪問は断って、父親の会社の顧問弁護士と話しているようだった。川崎麗奈の彼氏や三人の先輩たちには、電話での連絡があったようだが、今後会う予定はないとのことだった。
「うちに来た時も、由美子さんと同じような内容だったわ。あの弁護士さん大丈夫かしら。あの俳優さんは無実だなんて言っていたけど、根拠が曖昧過ぎるし、軽薄で浅はかな感じがしたわ。しかも有名になって顧客を増やしたいだけの弁護士だものね。」
川崎麗奈はそう言ってため息をついた。
「でも僕は他の可能性も感じたよ。あの服部弁護士は何か掴んでるんじゃないですか。すごく軽そうに見せていただけじゃないかな。僕らを油断させてるんじゃないかな。僕らはあの俳優さんの敵っぽいじゃないですか。」
山口俊也はそう言った。
「そうですか~?どう見ても無能そうですよ。」
川崎麗奈はそう言った。
「それにすごく思い込みの強い人でしたよ。」
由美子もそう言った。
「いや何か思惑があると思いますよ。服部弁護士は本気であの俳優が無実だと思ってはいないですよ。これは僕の個人的な考えですが、もしかしたら三年前の事件を、探っているのじゃないかな。あくまで僕の考えですが……。」
山口俊也は考えながらそう言った。
「三年前の事件ですか。結城沙織さんの弟さんとアイドルが亡くなった事件ですね。でもなんで今頃そんな事件を持ち出してくるのかな。」
川崎麗奈の彼氏はそう聞いた。
「だから今回の美鈴さんの事件のアリバイの作り方が、似ているのじゃないですか。だから一緒に調べて欲しいってことじゃないですか。」
「じゃあ三年前の事件の関係者に頼まれたってこと?」
由美子は確認するように言った。