ミステリー同好会の部室に集まった部員たちが、いつものようにミステリー小説を読んだり、テレビを見たり、みんな思い思いに自由に行動していた。松田響輝と由美子と川崎麗奈と彼女の彼氏、それから四人の先輩たち来ていた。彼らは美鈴の殺人事件があの俳優が犯人ということで、幕が下りたことについて話していた。
その時みんなのスマートフォンに速報が流れた。美鈴さんを殺したあの俳優が、拘置所で自殺をしたということだった。彼らは慌ててテレビを付けた。テレビでも画面にニュース速報が流れていた。
「これ以上悪あがきできないと観念して、自殺したのかしら」
由美子はそう言った。次の瞬間スマートフォンに速報が流れた。その内容はあの俳優が遺書を残していたということだった。その内容が次のようなものだった。
(自分は過去に二人の人を死に追いやったことは間違いない。だから自らの命をもって償う。しかし、断じて美鈴は殺していない。この世でただ一人の血のつながった、大事な妹を殺した人が憎い。死んでも呪ってやる)
そのいう内容だった。
「何なのこの遺書!」
「やっぱりあの俳優は美鈴さんを殺していないの」
「そんなはずはない、美鈴さんとあの俳優との間に血のつながりはない。それはDNA鑑定ではっきりしたはずだ」
「でも自殺する人が遺書に嘘を書くかな……」
ミステリー同好会のメンバーはみんなざわざわしていた。さっきまではあの俳優が美鈴さんを殺して、悪あがきに美鈴さんを妹と訴えていたが、それもDNA鑑定で血のつながりがないと証明されたので、これで事件は終わったと考えていた。しかし遺書の内容を聞くと美鈴さんを殺した犯人は、別にいて全ての罪を彼に背負わせて今も平然としているのではないかという気になった。
「僕たちはミステリー同好会だよね。この事件納得いくまで調べようよ」
川崎麗奈の彼氏がそう言った。
由美子は三年前に殺された女性アイドルとその恋人のお墓参りに行くのはどうかと提案した。そのお墓には親類や関係者も時々きているだろうから、何かわかるかもしれないということだった。みんなはそれは名案と同意して、次の休みにみんなで行くことにした。