休日の朝九時、松田響輝と由美子、川崎麗奈とその彼氏それと四人のl先輩たちも一緒に、三年前に殺された女性アイドルとその恋人の墓にやって来た。一同はその墓の前で手を合わせて冥福を祈った。その後その寺の住職に話を聞くことになった。
住職は快く話を聞かせてくれるとのことで、お寺の中にみんなを案内していた。寺の本堂にみんなで入って行くと、住職はお茶を用意してくれて、みんなで飲みながら話を聞いた。
「先日あの俳優さんが三年前に二人を殺したと、告白していたと聞いたのだが、やはり犯人はあの俳優だったのですね。しかも彼も自殺したのだね。しかしできればもう少し早く、真相を明らかにしてもらえれば、よかったのだが……。そうすれば今度の事件は……。」
住職は歯にものが挟まったような物言いだった。
「あの何か今回の美鈴さんの殺人事件で、気になることがあるのではないですか。」
松田響輝はそう聞いた。
「……。」
住職は黙ったまま何の返事もしなかった。
「あの美鈴さんと僕は以前少し関わりがあって、しかもあの俳優さんとは以前同じ芸能事務所に居たので、あの事件は僕にとっては他人事とは思えないのです。何か知っていることがあれば、教えてください。お願いします。」
「そうでしたね。存じ上げています。しかも今回の事件であなたも襲われたのですね。確かにお話しないわけにはいかないですね。ただこれはあくまでも私が個人的に感じているだけで、事実かどうかについては定かではないです。そのことだけは心に泊めてお聞きください。」
「わかりました。」
一同は声を揃えてそう言った。
「実は三年前の事件があった後、女性アイドルのご両親が墓参りに来られました。その時の両親の姿は今も忘れません。長い間墓に手を合わせていました。そこにあの女性アイドルと一緒に亡くなった恋人の姉がやって来たのです。その三人は墓の前で顔を合わせたのは、偶然だったと思います。」
「そうですか。」
松田響輝はそういった。そして話の続きを促した。