最終話では、善財夏実は葉月みづほと出会い、インタビューすることになりました。みづほはこの時、女性不動産投資家としてのインタビューです。みづほは善財夏実からのインタビューと聞いて、以前夢中で読んでいたコラムを書いていた人だったことを思い出しました。

みづほはヴィトンの財布とも再会しました。そしてその財布をもう一度、自分のものにしようかどうしようか迷いましたが、その時以前の自分と今の自分とは違うと感じ、過去の自分と決別していこうと思い、財布はもういい、また夫の雄太とも別れようと決めました。

またエアコン工事で働き始めた水野文夫は真面目に働き、独立をして何軒かの得意先もできてきました。そして独立した頃から職場に入ってきた女性と結婚して、子どもも四人できていました。

そして水野文夫と同級生で文夫から財布とお金を盗んだ、野田裕一郎は特殊詐欺師の一員として逮捕されました。文夫とは明暗を分けたようです。

また平原麻衣子と斉田彩の二人も変化がありました。二人で善財夏実の言う通り頑張っていましたが、投資があまりうまくいかず、焦り始めました。彩には彼氏がいて、その彼氏の勧めで仮想通貨に手を出して大きく損失を出しました。そして麻衣子と自分のお金を持って消えてしましました。

麻衣子は投資がうまくいかなくても、コツコツ頑張り続け奨学金の返済を終えました。

この本の登場人物がみんな変化して、成長したり、安定したり。落ちるところまで落ちたり、しました。そしてそれぞれの手を渡っていったのはヴィトンの財布でした。

この本はいろいろな人の価値観と金銭感覚が環境や経験と共に変化していきます。人は本来持ったものと出会いなどで変わる環境が混ぜ合わさって、生活や価値観が変わっていきます。