学校のミステリー同好会の部室に場所を移した。7人はとりあえず、今回の事件でわかっていることをまとめ始めました。松田響輝の過去からの人間関係を図にして、出来事を時系列にした。それを見ながら7人はどうしたらいいのかを考えていた。
「やはりここは美鈴さんのまわりから探るのが良いだろう。まずは美鈴さんのマネージャーに話を聞くのが早いだろう。」
ミステリー同好会の先輩で、由美子に最初に話しかけた先輩が言った。彼は山口俊也という4人の中で一番しっかりしていた。
「でもどうやってマネージャーに話を聞くの?」
由美子は思わず聞いた。
「その件は僕に任せてください。僕は美鈴さんや彼女のマネージャーとは、仕事を通じて付き合いがあるんですよ。だから僕が何とかマネージャーから話が聞けるように手配しますよ。美鈴さんは僕の会社の小物を気に入っていただき、取引していただいていたんです。だから殺されたと聞いてショックを受けています。だから、松田響輝さんのためだけではなくて、美鈴さんのためにも役立ちたいです。」
そう言ったのは、海外の小物を仕入れて、販売している吉川恭介であった。彼はおおらかな性格で、見た目も少しふっくらとして、おっとりした感じの男性だ。
「それに美鈴さんのマネージャーなんですが、彼女が以前、松田響輝さんと美鈴さんが和解しているという話をされていました。だから松田響輝さんが美鈴さんを殺す動機はないのです。」
その話を聞いていた、川崎麗奈の彼氏は、今までで判っていることをまとめてみようと話した。そして1枚の模造紙に時系列で、過去の出来事も含めて書いた。そしてもう1枚の模造紙に人間関係を書きこんでいった。
川崎麗奈の彼氏はその2枚の模造紙を見ながらつぶやいた。
「なぜ、アイドルの美鈴さんがあんな姿で、化粧もなくおしゃれもせず、松田響輝さんの控室に行ったのだろう。本来は静岡にいたはずだろう。静岡で殺されて運ばれてきたということはないかな。」
「それはないわよ。いくら何でも時間的に無理よ。それに、他から死体が運ばれてきたものならば、さすがに現場検証すればわかるでしょう。」
川崎麗奈は彼氏にそう言った。
「そうだな。じゃあ美鈴さんは静岡から眠らされて運んできて、控室で殺したのかな。」
山口俊也は二人の会話に対して意見を言った。
「とりあえず、マネージャーの話を聞いてからにしよう。」
その提案にみんなは同意して、一旦今日は解散しようということになった。