山口俊也のスマホに松田響輝の父親から返信があった。保険会社の件はすでに調べているとのことだった。それにいくつかの新たな事実もわかったとのことで、もう一度会って話がしたいとのことであった。

「今度はみんなで松田さんのお宅にお邪魔させてもらいますか。メールには明日は松田響輝さんも退院して、自宅に帰ってこれるみたいなので、僕たちが心配していたことを、両親から伝えてくれたみたいで、みんなにお礼が言いたいって言ってくれてるみたいだから、一度家に来ていただければって、メールには書かれてますが……。どうします。」

「それなら是非行かせていただいて、松田響輝さんの退院祝いもしないといけないですね。明日学校終わってから行きましょうよ。」

川崎麗奈はそう言ってみんなの顔を見渡して同意を得ようとしていた。

「そうですね。やっぱり松田響輝さんの顔を実際に見るまでは、お互いに不安は消えないですよね。」

由美子はそう言って同意した。他の人も同意したので明日の放課後、みんなで松田響輝の家に行くことで決まった。

 由美子が自宅に帰って両親に、今日ミステリー同好会の部室で話し合った内容を説明した。

「じゃあ松田響輝さんの容疑は晴れたのね。それに明日には退院できるのですね。本当に良かったわ。でもまだ真犯人はわからないのね。一番あやしいのは美鈴さんの彼氏だった俳優さんだけど、アリバイがあるのね。それに美鈴さんの行動も理解できないわね。」

由美子の母はそう言って、考え込んでいた。

「美鈴さんが死んで一番得するのは、その俳優さんだろうが、アリバイがあるのであれば、そのアリバイを徹底的に調べ直していくしかないだろう。でも彼じゃない可能性もゼロではないので、その可能性についても慎重に調べないといけないだろう。」

由美子の父はそう言った。そしてしばらく考えてから、また話しを続けた。

「美鈴さんの生命保険の件はもしかしたら、事件の突破口になるかもしれないな。松田響輝さんのお父様の弁護士通じて調べてもらうのだね。だったら、ついでに美鈴さんと彼氏だった俳優さんとの間にも、お互いを受取人にして生命保険を掛け合っていないか確認してもらえたらいいと思うよ。」

 由美子はなるほどと思った。

投稿者

ほたる

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