そんな話をしているうちに、夕月光希の事務所の社長とマネージャーが彼の家に着いた。そしてリビングに入って和葉の遺体と光希の姿に立ちつくしていたが、社長の山科かおるは光希の側に行って、片を揺すって問いかけた。

「なぜ、なぜこんなことになったの。お願い何か言って、お願いだから……」

 彼のマネージャーも近づいて来て、社長に言った。

「夕月さんをこのまま警察に連行なんてさせられませんよ。彼はどう見ても普通じゃないですよ。病院で見てもらわまいと、事情聴取はその後にしていただけないか、警察と交渉しないといけません。社長お願いします。僕が彼に付き添います」

「そうね。すぐに交渉しに行きますね。彼をお願いします。側についててあげてくださいね」

 社長が刑事と交渉するために奥に言った後すぐ、遺体の鑑識が終わり運び出されていった。その後一台の救急車がついて、夕月光希とそのマネージャーの神谷祐介が、警察病院に運ばれていった。

 奥の応接室では二人の刑事、山川俊夫と谷山正太、和葉のマネージャーの立石和行、夕月光希の事務所の社長の山科かおるがテーブルを囲んで向かい合っていた。

「先ほどから立石さんに夕月さんの夫婦仲を聞いているのですが、山科さんから見てお二人の夫婦仲は、どのように見えましたか」

 山科社長は刑事の質問に眉間の皺を寄せて、不快感を顔に浮かべて無言でいました。慌ててように立石マネージャーは口を挟んだ。

「社長さんは二人の結婚には反対されていましたよね」

「今でも私は反対ですよ」

二人の話を聞いた山川刑事はすかさず、山科に確認した。

「お二人の仲に問題があったのですね」

山科はまた沈黙した。

投稿者

ほたる

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