土井善晴さんは大阪生まれで、大阪の言葉で「ええかげん」という言葉があり、その言葉の意味は昨日と今日は違うだろう。同じ事ばかりしていてはいけません。自分で考えて、どこまでが良くて、どこからが悪いのかを、状況に応じて自分で判断できなあかんと書かれています。
この世は、ものともの、人と人、ものと人、自然と人、すべて関係の間で変化する。いつもいろんなことを感じたり、思ったりすることそれが情緒です。自分で直感的にどうするかを感じなさい。「考えるな、感じろ!」とも書かれていました。
そう言う意味では、レシピというのは他人の感性に依存することですから、レシピ通り調味料jを正確に計量するだけでは、クリエーション(創造)である料理がただの計量作業にになってしまう。
そしてこの本の中で土井善晴さんは地球と人間の間に料理があると書かれています。そして料理しようと思えば自然を思う。自然を思えば自然を大切にしようと思うでしょう。
翻って、食べる家族を見れば、家族を思って料理するでしょう。すなわち料理する人は、地球(自然)と人間の間にあるのです。それぞれの家の台所は、地球とつながっていることがわかるでしょうと書かれています。
そして土井善晴さんは世界の大問題は環境危機に関して、私達に何ができるか。それは料理すること言います。
味噌汁の中に何でも入れて食べきれば、みんながそうすれば、家庭におけるフードロスはすぐにでも解決できるでしょうと書かれ、現状から目を背けないでほしい。ちゃんと地球に参加してほしい。
また「料理をなめてはいけない」という章では、料理をなめたらあかんのですよ。「食べるだけの人は」自分勝手でしょう。おなかがすけば機嫌が悪くなり、酒を飲めば酔っぱらう。身体と精神は平衡するのです。食べるだけの人の多くは、男の人でした。(最近はそうでもないと私は思っていますが・・・・)
「人間が何を食べてきたか」という書物は何冊もある。それは男性の権力の歴史なんです。一方「人間はどんな思いで料理をしてきたか」ということをきちんと考えた学術書は、世界中どこにもありません。
料理する人の思想をみんなが持つべきです。そうすると料理をする人の気持ちがわかるでしょう。そうすれば何かが変わるかもしれません。料理して食べるという暮らしに幸せはあるのですと書かれていました。
そうなんですね!料理って深いなって思いました。