山川刑事が続けて質問をした。
「大変お聞きしにくいのですが……。そちらの社長さんからは異性関係が、派手だったとお聞きしているのですが、その件で揉めたようなことはなかったのですか」
夕月光希は山村社長を睨んだ。
「社長が探偵を使って彼女のことを、いろいろ調べていたみたいですね。確かにホストクラブなどにも時々行っていたみたいだが、それも仕事の付き合いだった。私と出会う前にも付き合っていた男性がいたが、もともとそんなことは承知の上で彼女を愛していた」
「そうですか。よくわかりました。では和葉さんの妹さん夫婦のことをお聞きしたいのですが、まずは妹さんの双葉さんと和葉さんの中は良かったのですか。噂では双葉さんのメンタルクリニックの経営は火の車状態だったと聞いていますが、金銭をめぐるもめごとなどはなかったですか」
「和葉と双葉さんは二人きりの血のつながった肉親です。だから金銭的な支援を和葉はしていましたが、それに対して愚痴を言ったことはなかったし、本当に仲の良い姉妹でしたよ」
「なるほどだからあなたも双葉さんに経済的支援をしていたのですね」
「大したことではないですよ」
「あの社長さんから見た感じはいかがでしたか」
「私もあの姉妹は仲が良かったと思いますよ。まるで二人で組んで、夕月から金をかわるがわるせびっていたように見えましたよ」
「社長!なんて言い方するのですか!」
夕月光希は山村社長に大声を上げた。
「事実ですよ!」