「いらっしゃいませ。おカバンお預かりいたします。」

ホテルについた二人は、それぞれの部屋に行きました。部屋に入った千賀子はホテルの電話で話し始めました。

「ねえ。やっぱりおかしいは、高岡先生最近つれないです。私には特に思い当たることはないのですが・・・・。」

「そうか。わかった。君は流れに任せて行動しなさい。無理に押していかなくていいよ。私に考えがあるよ。」

「じゃあ、お任せします。」 

 その頃杏介は部屋で研究会用の資料に目を通していました。あと一時間で始まり、夕方まで会場で縛られます。確か会場には川崎教授も来られると言っていたが、もうホテルに到着しているのかもしれません。そんなことを考えているとスマートフォンが鳴りました。盛男からでした。

「お疲れ様です高岡先生。研究会の時間には僕は自分の部屋にいますので、終わったら連絡くださいね。実はこのホテルに珠代も来てるんですよ。僕は止めたのですが、だから部屋の外へは出ないように言ってあるので、夕食はルームサービスですまそうと思うのですが、一緒にいかがですか。」

「進藤先生も来られているのですか。大学の講義は大丈夫なんですかね。しかしすごい行動力ですね。では後で連絡します。」

 研究会の会場に杏介が入り、自分のテーブルを探していると、川崎教授が手招きしているのが見えました。テーブルには川崎教授と千賀子、別の大学の文学部の男性教授が二人座っていました。川崎教授の隣に座りました。川崎教授の反対隣りには千賀子が座っていました。研究会の発表の順番は早い目だったので、緊張する暇もなく発表が始まり、あっという間に終わりました。そして他の方の発表を聞いている時間が長くなりました。千賀子が席を立って川崎教授と杏介に会釈をして、会場から出ていきました。

投稿者

ほたる

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