川崎教授は杏介にそっと耳打ちしました。
「少し聞きたいことがあるのですが、少し小耳に挟んだのだけで、君は石川君とお付き合いしているのかい。」
「教授。それは誤解です。まあ今日の研究会のために何度か二人で打ち合わせしただけです。」
「そうですか、ごめんなさいね。変なこと聞いて。推測でこんなことを言ってはいけないですが、石川先生にはいろいろ噂がありますよ。噂ですけどね。」
「どんな噂ですか。」
「ごめんなさい。噂なのでね。それと僕がこんな話したことは忘れてくださいね。」
千賀子が席に戻ってきました。そして多くの論文の発表が終わって、発表会は終わりました。
千賀子は杏介に夕食を一緒にしませんかと誘いましたが、杏介は疲れているので部屋で一人で食べると断りました。そして川崎教授と千賀子を置いて、先に会場を出ていきました。一度自分の部屋に戻って、シャワーを浴びて、盛男に電話をしました。
盛男の部屋で三人はルームサービスが届いて、和気あいあいと話をしながら、食事を楽しみました。お酒も入っていたので、珠代はテンションが上がり杏介に絡み始めました。
「前々から言おうと思っていたんですが、杏介さんは女の人を見る目はないですよね。美人で優しそうな人を見るとコロッと騙されますよね。女って見た目やしぐさじゃ本性はわからないですよ。男の人にかわいく頼られるとか甘えられる女の人って、結構したたかですよね。私の偏見ですけどね。」
「珠代飲みすぎだよ。高岡先生に失礼すぎる・・・・。高岡先生本当にすみません。」
「いえいえ、本当のことですから・・・・。」
「珠代、もうベッドに行って寝なさい。さあ立って・・・・。」
盛男は珠代をベッドに連れていきました。そのあと杏介をラウンジに誘って行きました。