杏介は朝食を食べるため、部屋を出てホテルのレストランに向かいました。レストランに入ると先に盛男も座っていて手を振っていたので、そのテーブルに着きました。二人で朝食をとり終わるとしばらく話を始めました。もちろん今朝の事件のことでした。
「杏介さん、大変なことになりましたね。」
「そうですね。誰が石川先生を襲ったのでしょうね。それより珠代さんはもう帰られたのですか。」
「帰りましたよ。」
杏介のスマートフォンが鳴りました。出るとさっきの刑事からでした。昨夜の杏介と一緒にいた人と共にロビーに来て話を聞かせて欲しいとのことでした。二人はレストランを出てロビーに向かいました。ロビーには朝事情聴取していた刑事が二人いました。
「お手数おかけしました。少し確認したいのでよろしくお願いします。早速ですが昨夜のお二人の行動を教えていただけますか。」
杏介と盛男は研究会が終わってからの行動を話しました。もちろん珠代のことは話しませんでした。
若い方の刑事が二人の話を聞いてから、質問しました。
「あなた達はどういう関係なのですか。」
「僕は進藤盛男と言います。弁護士をしています。石川先生の以前のトラブルことで高岡先生にお話が合って、夕食を食べながら話していました。」
「石川先生のトラブルですか。詳しく聞かせていただけませんか。」
盛男は石川先生が関わった男性の不審死とその男性の資産がほとんどなくなっていたことなどの話をしました。
「つまり進藤さんは石川先生のその疑惑を高岡先生に話して、忠告しようとしていたのですね。高岡先生と石川先生は交際されていたのですか。」
そう若い刑事が高岡先生の方を見てそう言いました。
「特に交際していたわけではないのですが、研究会の論文を一緒に作成して発表するため、何度か一緒に食事などをしましたが・・・・。」
「僕の妹が高岡先生の大学で教鞭取っているので、最近親しくされていると聞いたので、ちょっと話を聞きに追いかけてきました。」