杏介は自分の部屋に戻ると、盛男に電話しました。
「盛男さん、今日警察の人がうちに来まして、珠代さんのこと話してしまいました。」
「知っています。僕も詰問されてすべて話してしまいました。やはりは警察はすごいです。」
「それから、警察はもう一度、盛男さんと珠代さんと含めて話が聞きたいと言っています。私の両親もできれば話を聞きたいので、我が家に来ていただければありがたいのですが、どうでしょうか。」
「わかりました。珠代とも日程調整してみます。」
杏介は電話を切って、机に向かって小説を書き始めました。今書いているのは高校を舞台としたミステリーです。まあ今回は若い女性をターゲットとした。恋愛ありの友情ありのものです。締め切りにはまだ間はあるが、警察の事情聴取やその他諸々を考えると、早めに書き上げなければと考えています。
杏介は2時間程集中して作品を仕上げました。その後メイドに頼んで紅茶を持ってきてもらい。ゆっくりとソファで休憩しました。そしてここ何日かで起こった出来事を考えていました。そうしているうちに明日は講義はないが、一度大学に行って進藤准教授に会いに行こう。
アッと、そうだ石川先生のこと忘れていた。一応お見舞いに行った方がいいだろうか。明日病院に電話してみよう。その前に川崎先生に電話してみようと考えて、スマートフォンを取り出し電話をしました。
「もしもし、川崎教授先日はお疲れさまでした。あの石川先生はまだ入院されているのですよね。大丈夫でしょうか。」
「高岡先生こそ大変でしたね。石川先生はもう退院しています。自宅で静養していると思いますよ。もうだいぶよくなったようですよ。良かったです。」
「そうですか良かったです。じゃあしばらくしたら石川先生のご自宅にお見舞いに行かせてもらいます。」
「高岡先生研修会のときにお話しした来年度の文学部のことですが、近いうちにゆっくり話をしたいと思いますのでよろしくお願いします。」
「はいわかりました。では失礼します。」
杏介は電話を切りました。