皆は黙って盛男の話を聞いていましたが、三人の男性の死んだ時の状況を聞いた後、中島刑事が口をはさみました。

「やはりあなたは三人の男性の死が、石川先生と関わりがあると思っているのですね。しかも三人の男性の資産も石川先生が持って行ったと思っているのですね。だから高岡先生が危険だと思ったのですね。しかしそれは間違いですよ。」

「間違いですか。何が、どこが、間違いですか。石川先生と関わる男性が次から次から亡くなりました。しかも多額の資産が一緒に・・・・。」

今まで黙っていた珠代が初めて言葉を発しました。

「では説明します。三人の男性が亡くなった時、石川先生には完璧なアリバイがありました。三人の男性との交際を石川先生は自分のまわりには伏せていたようですが、警察では三人とのお付き合いを認められています。自分の友人に話すか話さないかは、本人の自由です。」

中島刑事はそう言いました。

「でも資産の流れが不透明です。それについては刑事さんはどう考えられているのですか。」

珠代は刑事にそう詰め寄りました。

「先ほど中村さんのときも言いましたが、資産の流れも今はわかっているのですよ。中村さんも、竹田さんも、吉岡さんも資産は慈善事業に寄付されているのですよ。なぜ三人ともっていう疑問はあったので、それを石川先生に聞きましたが、どうやら石川先生からそう言うところに寄付してみたらと提案したみたいですね。」

中島刑事がそう言うと、付け加えるように古川刑事が話しました。

「確かにこの話を双方で一連の流れとして聞いていくと、確かに石川先生には不自然な部分もあり、私達も決して全面信じているわけではないです。さっき言ったアリバイの件、資産の件も、もし共犯者がいれば話は変わってきますので、ただ現時点では何の証拠もない話です。」

「刑事さんは私達に何が言いたいのですか。」

「今私達が追っているのは、ホテルの駐車場で誰が石川先生を襲ったのかということです。それによってこれまでの三人の男性の事件も、繋がっていくのかもしれないと考えています。そう言う意味で今日はあなた方への疑いを先に潰しておこうと、こういう場を持ちました。あなた方の話はよく分かりました。ありがとうございます。」

投稿者

ほたる

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