刑事二人は帰っていきました。その後杏介の両親と盛男と珠代の五人がのこり、刑事が言いていっていたことについて、話し始めました。三人の犠牲者たちがみんな揃って、慈善事業に寄付しているって、いくら石川先生の勧めでもそんなことするのかなと話しました。
「石川先生はどうして交際した男性全員に、多額の寄付を勧めたのでしゃうね。私達は石川先生がそういうことに熱心だということを聞いたことがなかったし、しかも多額の資産でしょう。何かあやしくないですか。」
珠代はそう言い、他の人達の顔を見渡しました。みんなも小さく頷き同意しているようです。
「しかし、三人が亡くなった時のアリバイが完璧になっているし、資産も石川先生のものにはなっていないですよね。」
杏介の母親の鈴代はそう言いました。
「あの、川崎先生ってあやしくないですか。石川先生とは共犯じゃないですか。だって石川先生とずっと昔からの付き合いだし、しかも今回日本純文学専門の教授と講師が海外の純文学の研究会に論文を発表するって、おかしいじゃないですか。研究会にも一緒に行かれていたのですよね。」
珠代は早口にそう言いました。それに対して杏介は答えるように話しました。
「研究会の後で川崎先生から話があって、文学部の教授が今年度末で退職される方がいるのです。少子化で、今まで細かく文学部を分けていましたが、そうすると経費も掛かるとのことで、来年度から文学部をいくつか結合するみたいですよ。そのために今回論文を出したみたいです。」
「でもうちの大学はより専門的に細分化していることが、特徴でそれで他の大学と差別化しているのじゃないの。」
「やっぱりコスパが悪いので、大人の事情みたいですよ。それに川崎先生は僕に石川先生にはいろいろ噂もあるから、仕事以外のお付き合いは控えた方がいいと忠告してくれなしたよ。共犯ならきっとそんなことは言わないでしょう。」
「確かに・・・・・。」
結局結論は出ないまま解散することになりました。