土曜日の朝、杏介は別荘に出かける用意をして、進藤盛男と珠代が迎えに来るのを自分の部屋で待っていました。そこに杏介の父の義隆が入ってきました。
「杏介今日から3日間旅行に行くらしいね。気を付けていくんだよ。進藤先生も一緒らしいね。」
「お父様、別に二人で行くわけではないですよ。進藤先生のお兄さんとその友人もいっぱい来るのですから、誤解しないでくださいね。嫌な事件が続いていたので、気分転換に行くだけですから、今回は進藤兄妹も巻き込まれましたからね。」
「杏介、何を向きになっているんだ。別にないも言っていないじゃないか。私はただ最近変なことが続いているから気を付けて行くようにと言いたいだけですよ。ところで石川先生は大丈夫だったんですか。あの事件の後、君は石川先生のこと何も話さないから気になってね。」
「もう大丈夫みたいですよ。学校にも来ていますしね。」
そんな話をしているところに進藤兄妹が車で迎えに来ました。杏介は出かけていきました。その後、父親の義隆はリビングに行って、妻の鈴代とお茶を飲みながら雑談し始めました。その話の中で杏介の結婚話になっていきました。
「あなた、杏介は自分の力で結婚相手を探せると思いますか。私は石川先生とうまくいくのかと思いましたが、まさかあんな事件に巻き込まれるとは、まあ先生の疑いも張れたみたいなので、うまくいったらいいですが、あと3ヶ月しか約束までないですよ。あなたはその期限伸ばす気はないのでしょう。」
「鈴代、そんな心配はいらないよ。あの子は自分の手で結婚相手を見つけると思いますよ。3ヶ月では無理かもしれませんが・・・。」
「それじゃあ、期限は延ばすのですか。」
「いや、約束は約束だよ。守ってもらうよ。」
「そんな・・・。」
「心配するな。じゃあ、私は仕事の資料に目を通さないといけないので。」
そう言って義隆はリビングを出て、自分の書斎に行きました。