軽井沢の別荘に到着した進藤兄妹と杏介は、すでに到着していた友人達に出迎えられました。そして全員で一旦、1階の広間に集まりました。そしてみんなでコーヒーや紅茶などの飲み物を飲みながら、お互いに自己紹介をしたり、大学時代の話をしていました。集まったメンバーは次の通りです。

 まずはこの別荘の持ち主の滝川満彦と妻の佳江と娘のゆかりです。満彦は少しふっくらとした優しそうな人で、妻の佳江はモデルのようにスタイルの良い美人でした。娘も母親似で整った顔立ちの小学校1年生で、よく笑うかわいい女の子でした。満彦は大手デパートを経営する二代目社長をしているお坊ちゃまです。

 次は弓月和広と妻の道子で去年結婚したようで、子供はまだいませんでした。和広はアパレルを経営し、最近は業績をグングン伸ばして、メディアでも何度か取り上げられていました。妻の道子はデザイナーで二人は社長と部下という立場で知り合っていました。和広も道子も流行のスタイルをさりげなく着こなす、センスのひかる夫婦でした。

 次は小川ゆりという独身のバリバリキャリアウーマンぽい女性で、見るからに賢く抜け目のなさそうな人でした。仕事は大手銀行の役員ということでした。ただこの女性は近いうちにその銀行をやめる予定だとのことでした。その後のことについては話されなかったのでわからなかったのですが・・・。

 そして吉川剛と喜美子の夫婦は同じ大学からの友人で卒業後すぐに結婚して、今は小学校3年生の翔という息子がいます。二人は付き合いも長いためか、夫婦というよりも友達の延長のような関係に見えました。二人は夫婦で高級レストランを経営しています。二人共人の好さそうな人です。

 杏介はみんなの話を聞きながら、全員が人生の成功者であることに少し驚きました。とは言っても杏介も財閥の御曹司でけして彼らに見劣りはしません。しかしお金があり、仕事でもそれなりの成功をおさめている人たちですが、決して偉ぶることのない、気さくな人達であることが、なおこの人たちの魅力を引き立てているのでしょう。

 そんなことを考えていた杏介でしたが、満彦は別荘の中をみんなに案内すると言ってくれ、ひと通り見て回るころには、食堂にさっきみんなが注文した料理が用意されているでしょうと言ったので、全員で別荘内を見て回りました。さすがに元華族持ち物だけあって、家具や飾りもすべてが豪華なものになっていました。

 全ての部屋を見て回り、食堂へと移動して昼食を食べることにしました。

 

 

投稿者

ほたる

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