先日も書きましたが、小学校の頃は読書は苦手でした。読みすすめるという持続力がなく、すぐやめてしまいました。

私が中学校に入学して読書を始めたのには理由があります。私の中学校は私学の女子校、電車通学で、自宅に帰りつくまで寄り道禁止の校則がありました。唯一寄っていいのは、学校と駅の間にある学校が営業しているの書店だけでした。

大型書店ではないですが、学校で必要な参考書や問題集また学校推奨の図書・文房具等々、予約を入れればだいたい揃います。それと何より長時間の立ち読みもOKでした。

学校は田舎だったので、電車は1時間に1本でそれに乗り遅れた時や雨宿りもそこに行き、自宅に電話して乗り遅れたことを家族に話したり、置き傘を借りたりしました。その頃携帯電話はなかったので、その書店の公衆電話をみんな利用してました。

中学時代の私の友人は本が好きだったので、毎日のようにその書店に一緒に行きました。私は最初あまり読書が好きではなかったので、棚に並ぶ本の背表紙の著者と作品名を見て、有名な作品の著者を覚えるようなことをしてました。

ツルゲーネフ 『初恋』 トルストイ 『戦争と平和』などというようにです。

そのようなことが何日も続きましたが、そのうち漫画を見るようになり、立ち読みで何日かかけて読み切るようになりました。(そしてこの頃から立ち読みの癖がつきました。)

そんなことをしているうちに、推理小説の背表紙なども見て、赤川次郎さん著作の作品に興味を惹かれ始めました。特にその中でも『死者の学園祭』の舞台が学校ということにも魅力を感じ、手に取って読んでみたいと思い、それを購入しました。

とても面白くて自宅で一気に読みました。読みながら本の中の主人公に自分がなったような気分でした。初めて読書の魅力に目覚めました。