それから三日後、進藤兄妹と杏介はホテルのレストランでディナーを食べていました。それは進藤盛男が弁護士としていろいろ調べると不思議なことが多くあったとのことで、それについて聞いてほしいということで食事しながら話そうということになりました。盛男が話し始めました。
「学長は癌でもうあまりながくないということでした。しかも数年前から患っていたようで、本人もそのことを知っているとのことであったのですが、そんな学長がかなり年の離れた若い川崎教授と婚約したり、結婚したりしようとするかと思って、高岡先生はどう思われますか。」
「僕にはわからないですが、この前進藤先生にも聞いたのですけど、これから僕達の大学は経済学部長のものになるのですかね。川崎教授と石川先生はは今どうしているんでしょうか。それに石川先生と交際があった男性の不審死についてのこともこのままうやむやになったらって思たんです。」
「高岡先生もわからないですか・・・。今の川崎教授と石川先生の居場所は不明です。二人共自宅にはいません。ただ警察は知っているようです。どうも研究会で石川先生の事件は川崎教授と石川先生の きょうげんだとわかったので、いろいろ調べられているようです。何度か出頭もしているみたいです。」
盛男がそう言うのを聞いて、杏介は驚きました。
「きょうげんだったのですか。」
そんな話をしていると、杏介と珠代のスマートフォンに同時にメールが届きました。大学の事務局からでした。学長が亡くなった。そしてしばらくは経済学部長が学長代理として大学の運営を仕切っていくことになりましたとのことです。
とうとう大学は経済学部長のものになったと思って三人で話していた時、盛男のスマートフォンが鳴りました。中島刑事からの電話でした。その内容は石川先生の交際していた男性達が不審死を遂げた事件が全て解決したとのことです。それを一度お会いして説明したいとのことでした。電話を切ってから盛男は二人に言いました。
「事件はすべて解決したそうです。お二人は明日は大学ですよね。警察からは明日朝に会って説明しますと言っていただいているのですが、僕一人で聞いて来てから説明しましょうか。もし都合が良ければ一緒に聞きませんかと思うのですが・・・。」
それを聞いた杏介と珠代は大学に連絡してから、盛男に一緒に警察の話を聞くということを言いました。明日警察署に三人で出向くことになりました。